湯立坂マンション問題から 国立市議会議員 板谷のり子
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2007 年 6 月 1 日    
湯立坂マンション問題から
〜景観法はできたものの〜
 去る5月19日、文京区民センターで開催された「都市の環境を見直す〜景観の保全・創造と開発〜」に参加しました。
 文京区小石川の湯立坂に地上14階・地下2階の高層マンション計画(第1種住居地域)が出されましたが、ここは、重要文化財に指定されている旧磯野邸の目と鼻の先。近くには、学校や公園などが多く、都心の真ん中にあって、緑豊かな場所でもあります。この旧磯野邸は、大正元年に造られ、「銅御殿(あかがねごてん)」と呼ばれていますが、関東大震災や東京大空襲からも逃れ、今に至っています。ビルの谷間にひっそりと残るのも風情だと思われるでしょうか?
 景観法は、2005年に制定されましたが、あれから、何かが変わったのでしょうか?これまで、都市計画法の中で、国民の権利制限については、必要最小限であるべきとされてきました。その中で、常にディベロッパーと地域住民との間の軋轢は、相変わらずなくなりません。地方分権と言いつつ、景観法の意図とは裏腹に、東京都においては、いまだ権限を地方自治体へ下ろしてはいない現状があります。
 シンポジウムでは、元大京の取締役で、台東区谷中のマンション問題の解決をはかった大越武氏が、「マンション業界の問題点は、経営理念や開発理念がないこと。景観条例ができる時代に紛争が起こるのはおかしい」とばっさり!また、東京芸大の前野まさる氏は、「江戸時代には旦那衆が道楽をして文化を残したが、今は、番頭が旦那面をするからダメ」とおもしろい分析をされました。「日本は、重要文化財の周りにバッファーゾーン(緩衝地域)を設けていないと指摘し、産業振興課・教育委員会・建設部が横断的に協議しないと、よいまちづくりはできない」ともおっしゃっていました。
 まちづくりは、長年その地域で暮らしてきた住民の不断の努力によるところが大きいものです。そうした文化に目を向けずに、強引な開発を利益優先でおこなう開発業者は、いずれ淘汰されていくのでしょうけれど、それまでに、いくつトラブルが起こるのか、それを考えると、国も自治体も、早い時期にしっかりと制度の見直しをしていく必要があります。
 関係者のご厚意で、近くこの重要文化財を見学させていただく予定ですが、文化を守ることこそ、よりよいまちづくりへとつながることは、言うまでもありません。



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